新機能
このリリースでは、Ubuntu 24.04のサポート、サービスごとに構成可能なメトリック解像度、PostgreSQLおよびPMMエージェントの接続管理の改善、PMMセルフモニタリングおよびMongoDBの試験的なダッシュボードが導入されています。
このリリースでは、MySQL Query Response Time Detailsが強化され、PostgreSQLの新しいメトリックとラベルが追加され、MongoDBのモニタリング、アップグレード、クエリ分析および高可用性のドキュメントに関連するいくつかの問題が修正されています。
PMMの試験的なダッシュボードは、新しいダッシュボードまたは再設計されたダッシュボードであり、テストしてフィードバックを提供するためのプレビュー機能としてリリースされています。将来のリリースでは、これらをデフォルトとして追加する予定です。
これらのダッシュボードは完全に安定または完全であるとは見なされておらず、ユーザーからのフィードバックやさらなる開発に基づいて、将来のリリースでデザインや機能、メトリックが変更される可能性があることに留意してください。
リリースハイライト
Ubuntu 24.04 Noble Numbatのサポート
PMMは、最近リリースされたUbuntu 24.04 Noble Numbatオペレーティング システムで実行されているデータベースの監視を正式にサポートするようになりました。
この追加により、PMMはデータベースのデプロイメントで一般的に使用される様々なLinuxディストリビューションを包括的にカバーし続けます。
サポートされているプラットフォームの完全なリストについては、Percona Software Support Lifecycleのウェブページをご覧ください。
サービスごとに構成可能なメトリック解像度
各エクスポータに対して低解像度 (LR)、中解像度 (MR)、高解像度 (HR) 設定を個別に設定することで、サービスごとにメトリック解像度を設定できるようになりました。
個々のサービスの解像度設定をカスタマイズすると、PMM設定を微調整して、データの粒度とリソース消費のバランスをとることができます。これにより、次のことが可能になります:
- 高解像度データに焦点を当てることで主要なサービスにリソースを効率的に割り当てます
- 重要度の低いコンポーネントの解像度を調整することで、ストレージ要件を削減します
- 環境の特定のニーズに合わせて監視設定を調整します
この機能は現在、PMM API経由でアクセス可能で、将来のリリースでユーザーインターフェースに統合される予定です。
API呼び出し例:
curl --request POST \
--url https://<your-pmm-address>/v1/inventory/Agents/ChangePostgresExporter \
--header 'accept: application/json' \
--header 'content-type: application/json' \
--data '
{
"common": {
"metrics_resolutions": {
"hr": "60s",
"mr": "300s",
"lr": "3600s"
}
},
"agent_id": "<agent-id>"
} '
PostgreSQLサービスとpmm-agentの接続管理の改善
PMMでは、PostgreSQLサービスとPMM Agentの接続管理機能が強化され、リソース使用率を最適化し、過剰な接続によって発生する潜在的なパフォーマンスの問題を防止できるようになりました。
PostgreSQLサービス
新しいPostgreSQLサービスを追加する時に、PostgreSQLエクスポーターが同じPostgreSQLインスタンスに対して開くことができる接続数の上限を設定できるようになりました。
以前はCLIからのみ利用可能だったこの機能は、PMMウェブインターフェイスからもアクセスできるようになりました:
- PostgreSQLサービス:PMM Configuration > Add Service > PostgreSQL > Configuring PostgreSQL Service
- RDS PostgreSQLサービス:PMM Configuration > Add Service > Amazon RDS > Discover with Amazon Credentials > RDS PostgreSQL
最大接続数制限を設定することで、同時操作中に過剰な接続が発生するのを防ぎ、アイドル接続を避けるために接続がすぐに閉じられるようにすることができます。
最大接続数を調整する時は、次の点を考慮してください:
- インスタンスが大きい場合やビジー状態の場合は、より高い値が必要になる場合があります。
- 制限を高く設定しすぎると、パフォーマンスに影響する可能性があります。
- 制限が指定されていない場合、または、オプションが無効になっている場合は、サーバーが接続制限を自動的に管理します。
PMM Agent
同様に、QAN、Advisors、およびその他のシステムの監視対象データベースに対してPMM Agentが開く接続数を制限できるようになりました。
このリリース以降、pmm-agentは必要な全てのリソース (主に接続) を追跡し、データベースインスタンスごとに同時に2つ以下の接続を開きます。
このデフォルト値は、pmm-agenntの起動時にパラメータまたは環境変数を設定することで変更できます。
PMM Agentの設定と使用可能なパラメータの詳細については、pmm-agent --helpを実行してPMM Agentのヘルプドキュメントを参照してください。
実験的なPMMセルフモニタリングダッシュボード
PMM自体の健全性とパフォーマンスに関する詳細な洞察を提供するために、新しい実験的なPMM Healthダッシュボードを追加しました。
そのダッシュボードは、PMMアーキテクチャを反映し、全体的なコンポーネントステータス、ノードの健全性、Query Analytics、PMM-managed、Grafana、VictoriaMetrics、ClickHouse、PostgreSQLメトリックなどの主要コンポーネントをカバーします。
この初期バージョンは、PMMの更新後にExperimentalフォルダで利用可能になり、潜在的な問題を特定して最適な操作を保証するのに役立つ主要なメトリックのスターターセットが含まれています。
実験的なMongoDBダッシュボード:シャードクラスターとレプリカセット
PMM Healthダッシュボードに加えて、Cluster SummaryダッシュボードとReplicaSetダッシュボードという2つの主要なMongoDBダッシュボードの実験的な更新も導入しています。PMM内のMongoDBセクションからアクセスできるこれらの新しいバージョンは、読みやすさとデータ密度に関するフィードバックに対応するために再設計されています。
ここでは、MongoDBパフォーマンス監視に最も関連性の高い重要なパラメーターとメトリックに重点を置くため、デザインとナビゲーションが簡素化されています。
我々がこれらの改善に役立てていただけるように、是非これらの実験的なダッシュボードを調査し、PMMフォーラムでフィードバックを提供してください。
改善点
- PMM-3303 - 実験的なPMM HealthダッシュボードをExperimentalフォルダに導入しました。このダッシュボードでは、ノードの健全性、Query Analytics、Grafana、VictoriaMetrics、ClickHouse、PostgreSQLメトリックなどの主要コンポーネントをカバーし、PMMの健全性とパフォーマンスに関する詳細な洞察を提供します。
- PMM-13123 - MySQL Query Response Time DetailsダッシュボードのQuery Response Time Distributionグラフを強化し、クエリパフォーマンスに関するより詳細な洞察を提供します。以前は、多くのクエリが通常該当する範囲である、100ミリ秒未満の応答時間のクエリのバケットがグラフに含まれていませんでした。この制限により、100ミリ秒未満のクエリ、特に1ミリ秒未満の範囲のクエリのパフォーマンスを分析することが困難でした。
- PMM-13075 - Ubuntu 24.04のサポートを追加しました。
- PMM-12896, PMM-12895, PMM-12971 - データベースごとのメトリック収集とパラメータの制御を追加し、接続を過度に使用せずに、より詳細なデータ収集を可能にしました。
- PMM-12994 - postgres_exporterのpg_replication_slot_slot_is_activeメトリックとslot_current_wal_lsnメトリックにラベルを追加し、レプリケーションタイプ (論理または物理) とスロットに使用されるプラグインを識別できるようにしました。
- PMM-12753 - MongoDBパフォーマンスの監視に不可欠なメトリックに重点を置いた、合理化されたデザインと簡素化されたナビゲーションを備えた、MongoDB Cluster SummaryダッシュボードとReplicaSetダッシュボードの実験的なバージョンを追加しました。
- PMM-11583 - MySQL 8.0で導入されたinnodb_redo_log_capacity変数のサポートを追加し、InnoDB Loggingグラフで正確で一貫したデータ表現を実現しました。
- PMM-11278 - QANがデータを収集する方法を説明するために、Query Analyticsドキュメントを改善しました。
- PMM-13119 - High Availabilityドキュメントを改善しました。High Availabilityドキュメントを改善し、PMMのHAで使用可能なオプションを明確に説明しました。
修正されたバグ
- PMM-12349 - MongoDB RepSet Summaryダッシュボードで、レプリカセット内のノードがダウンしている時に誤ったデータが表示される問題を修正しました。これにより、ダッシュボードには、ノードが利用できない場合でも、ノードのステータスとバージョン情報を正確に反映できます。
- PMM-12522 - MongoDBシャーディング情報の高解像度収集によってタイムアウトが発生する問題を解決しました。
- PMM-12880 - MySQLのx509認証を使用する時にpmm-admin --tls-skip-verifyフラグが正しく機能しなかった問題を修正しました。これにより、自己署名証明書または信頼されていない証明書を使用してMySQLインスタンスに接続する時に、フラグが証明書の検証を適切にスキップするようになりました。
- PMM-12962 - MongoDBエクスポーターのバランサーメトリックを更新して、mongodb_mongos_sharding_balancer_enabledメトリックを正確に計算して報告し、シャードクラスターでバランサーが現在有効か無効かを正しく示せるようになりました。さらに、mongodb_mongos_sharding_chunks_is_balancedメトリックの名前がmongodb_mongos_sharding_chunks_is_balancer_runningに変更されました。古いメトリック名を使用しているアラートやダッシュボードを更新して、引き続き正しく動作するようにしてください。
- PMM-12989 - MongoDBレプリカセット内のArbiterノードを監視する時に、誤ったログエントリが残る問題を修正しました。
- PMM-12998 - Amazon Machine Image (AMI)またはOpen Virtualization Format (OVF)を使用して2.41.0より前のバージョンからPMM Serverをアップグレードすると不安定になり、アップグレードプロセスが失敗するという問題を修正しました。
- PMM-9403 - インスタンスを区別し、クラスター内の各ノードのレプリケーションラグを正確に表すようにメトリックを更新することによって、MongoDB Replication Lagグラフに全てのノードに対して誤った同一の値が表示される問題を修正しました。
Percona Monitoring and Management (PMM) 2.42.0 リリース情報(Percona社ウェブサイト):
https://docs.percona.com/percona-monitoring-and-management/release-notes/2.42.0.html
Perconaサポート・コンサルティング
Perconaサポート・コンサルティングサービスはPercona Serverをご利用頂いているお客様が安心してお使い頂くために専門的なサポートを提供するサービスです。